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1/4理論 > 背中の美 「椅子をデザインするという事」

Category: NOTEBOOK — Posted by SA at November 10, 2010

物件に併せて家具をデザインするのは通常の業務ですが、椅子というのはやはり別格。現在椅子について語る事は一世代前のインテリアデザイナぽいのかもしれないけれど、しっかり検証しながら椅子をデザインする事は内装一件分くらいの作業時間にもなりますし、試作を重ねながら同じアイディアをただただ、リファインしていく事は状況的にもなかなか難しい。竣工納期の制約もあるし、プロトタイプの捻出費用も必要ですし。

今回thaさんのオフィスをデザインした後に、椅子のデザインをさせて頂くことになりました。
特別細かいリクエストはなかった(と思う)ので、普段の生活や実務のなかで「こうだったらいいなぁ」と思っている事をほぼ反映させた椅子をデザインしました。

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テクニカルなことは作品として表のページでアップするのでblogでは触れませんが、

・「1/4理論(自分ルールですよ)」=特に制約なき場合は、平面でも1/4・断面でも1/4を超えるエリアに家具等のエレメントを無造作に出さない。最悪1/3まで許容する。
CH=2400なら、2400/4=600以下の高さに椅子は収まることが好ましい。本当はテーブルもそれに添いたいのでCH=700×4=2800 欲しいんですけど。

・無造作にテーブルの水平面と椅子の垂直線が交差するの事を避けたい。

・椅子の上であぐらが組めるのがいい。

・全体重を預けるに相応しい質量が欲しい(軽い事が名作椅子の条件とも言われますけど…)

・なにより座った時に人の背中が見えること。後ろから見て椅子も座ったひとの背中もすっと伸びて綺麗な椅子がいい。

という、極めて個人的な嗜好に依ってデザインされ、試作をし、納品しました。SH(座面高さ)が若干高い気がしていて、次回に作る際には座面高と角度を微調整するつもりですが、そういったリファインに耐えうるものになったのではないかと密かに思っているのですが、いかがでしょう?