この4月に鹿児島にオープンする三越跡地「マルヤガーデンズ」。最新の日経アーキテクチャにも載っています。
建築の設計はみかんぐみさん。クリエイティブディレクションにナガオカケンメイさんとものすごく明確なベクトルをもった商業施設。
規模はそこそこですが、意味としてはエポックメイキングなプロジェクトになる予感(あくまで予感!)
弊社でも一つのテナントのデザインをしています。
館(百貨店なりSCだったりの箱をこう呼びます)のデザインなりディレクションがまっとうであれば、テナントのデザイナーにとっては館自身が優れたコンテクストとして成立するので、いろいろ情報を集めているものの、これが見事にない。正攻法でも情報得るのは難しいので、ネットをさまよったりツイッターで拾ったりもしているのだけれど…….ガードが固い。
商業テナントの殆どのケースでは、SCなり百貨店に入るテナントは共用部分からどのように浮き立つ=目立つかということに重きを置く。強烈なアイコンを配したり、領域設定のためのゲートを設けたり。それが「宣伝」ということになっているから。館の方では「なるべく内装デザイナーの自由度があがるように・・・」とは言うけれど、本質的にそのスタンスは百貨店としての責任を放棄しているように思う。百貨店、SCとも集合体という街区の価値がなければ自ずからその役割をインターネットに奪われていくことは仕方ない。プラットフォームとしての強さも、リスペクトされるべき思想もないのだから。
優れたウェブサイトのプラットフォームには、コンテンツは素直に従っていく。その結果さらに上質なコンテンツを呼び、プラットフォームの価値はさらに上がって行くことはwebの世界では良く見られるケース。
今回のマルヤガーデンズはプラットフォームが優れているに違いないという想定で、テナントのデザインも建築の文脈へ添う形にしたいと思っている。一テナントではあるけれど、ささやかな「館」への同期を目指しています。
しかし、ここまで固めたキャスティングなら、もっとちゃんとテナント設計者にも建築のオリエンをするなり、オリエンシートを作るなりは最低限すべきだと思う。もう少し成熟した百貨店にするためにも、その一手間が大切なんではないか。
例えば今回は共用部分のカラーコードとして[N-93]という色が指定されている。通常は[N-95]=真っ白 [N-90]=ほんの少しグレーを感じる白、のどちらかに設定するのが一般的だけどあえて[N-93]。
単体で見せられたらプロでもその色を言い当てるのは難しいくらいのストリクトな指定の理由や想いはあるのだろうけど、結果としての[N-93]のみではどんなに想像を逞しくしてもその根本の理解は難しい。
建築サイドにどこかで「テナント側はどうせ好き勝手にやりたいのだから・・・」っていう諦念があるとしたら、そこをもう一押ししてもらいたいと思う。将来の為に。
今回のケースが良い事例としてリアライズできるよう、もう時間の猶予もないけれど、せっせと情報収集につとめます。
