2016年4月より、佐藤可士和氏率いる株式会社サムライ のメンバーとして活動していくことになりました。>「ご挨拶とご報告」

藤村龍至さん x 千葉大

Category: NOTEBOOK — Posted by SA at December 17, 2009

・藤村龍至さんのレクチャーを拝聴しに、ほんとにひさしぶりに母校へ。

・超線形設計プロセスと批判的工学主義(あ、変換は高額手技ってでてきた・・笑)に関する学生向けのレクチャーだったのですが、実務論から見ても、教育論から見てもとても有効だと実感できました。

・多くの学生さん達は正確な理解をしていると思うのですが、???という表情の方もかなりの数だったように見受けられました。藤村氏の語り口や、凛とした容貌、レクチャーのタイトル、使用する言葉、検証している模型のヴァリエーションの多さ、等々がもしかしたらそれを増長してしまったのかもしれないけれど、今回議題に上ったプロセス論は「最大公約数の発見」が目的ではない。全ての諸条件をフラットに捉えて網羅し尽くして、最後に残った物が最適解であるかのような印象を抱いてしまったとしたら残念。
印象論だったらむしろ、「自らレールを埋設してそのレール上をどんどん突っ走る」という印象の方が正確ではないかと思う。

・レクチャー内、BUILDING-Kという作品は実現するのは相当に大変だったであろうことは予測できる。思いついたとしても破綻してしまうケースが殆どだと思いますが、破綻なく実然させた事はプロセス論の有効性を裏付けてくれる。もし最大公約数的な設計と合意プロセスを経由していれば、同じ床面積を取得するのに壁量が多くなる様な設計は難しいし、メガストラクチャーの採用も見送られる可能性が高い。藤村氏の言う「形式化した合理主義」にどんどん収束して行くことになってしまう。

・ 一般論として設計での「ジャンプ」というのは基礎鍛錬の結果として試みる事のできる高みであって、飛び降りる事と同義ではないでしょう。手を動かしていけば自然と理解できる事だと思うのですが、超線形プロセス全体をジャンプとして捉えてみたらどうかなと。

・ 質疑応答はディスカッションというよりも、良きインタビュアーというスタンスだともっといろんな側面の話がお聞きできたかもしれません。ちなみに・・・

1. プロセス論故、プロセスのみを取り出してみてはどうか。
藤村氏の提唱しているプロセスで藤村氏が設計して結果が出るのは自明だし写真から理解できる。他者がこのプロセスで設計したら実際どうなるのか。どんなツールも習得に時間がかかると仮定して、例えば藤村氏の事務所の出身者だったら藤村氏不在でも一定以上の成果を上げられるのかどうか。或は氏に影響をうけた同世代の建築家がこのプロセスを利用した実例があったらお聞きしたい。(教わった学生さん方は既に成果がでていると思いますので)

2. ビルディングタイプによって、プロセスの有効性についての差異はないかどうか。
事例ではインテリア/一般住宅/複合ビルx2 の4つを見せていただきましたが、パラメータの多いビルの方がプロセスの結果がより明確であるように思えました。特に住宅はクライアントがこのプロセス自体に若干の抵抗を抱いたり「好み」という根本的に共有の難しい判断基準が影響を及ぼしたりする可能性はありませんか?
合意形成プロセスなので関わる人が多い程有効性が際立つことも考えられますが、その傾向というのもはありますか?

3. テクスチャマッピングは意図的に避けているのかどうか?
周囲のコンテクストから外壁材を決定したというご説明がありましたが、濃密な風景の形成に素材のテクスチャーというのは一定の効用があるように思えるのですが、比較的フラットな面状の素材を多く採用する積極的な理由はありますか?自然素材/人工素材というくくり方ではなく、テクスチャーとしてという意味でお訪ねしたい。

1-3、全て学生さんからでた質問のいくつかをシャッフルして、言い方を変えたものです。3は地雷かもしれません。議論がもっともっと色んな方向に、かつ理解が具体的によりなっていくために演者の意見を引き出せる質問はと思い考えてみました。

・ ツィッターの実況は相当に機能していたように思います。どうせならハッシュタグで拾えるコメント全てを別プロジェクターで見せ続けて欲しかったなと思う。

・大学は、なかなかに魅力的に思えた。学生時代には背を向けてしまった人間がいまさら言うのもどうかと思いますが。。。とにかく大変盛況である学生の様子を見て、なんだかとても嬉しかったし未来はまだまだいい色をしていると思った。